今は手放した初めて買った車は真っ赤なスポーツカー

当時の私が憧れていた走り屋になる為に、まだ子供だった頃から好きだった車を購入しました。
買った場所は個人経営の小さなカスタムショップでした、そこでは狭い敷地に改造車か多数並び夢のような光景が今でも忘れられません。

そのショップは知り合いの紹介で知ったのですが、まさに自分の憧れの走り屋が通う場所という雰囲気で、どの車を見てもワクワクしたものです。
そしてついに自分が買うことになる車が決まり、期待しかない気持ちで実物を見に行った時の衝撃は凄まじいものです、真っ赤で改造車、さらには車検証まで改造車になっていたのです。

車検証には、車の名前の最後に改も文字が付きます。ナンバープレートの数字も変わっていて、これは絶対に目立つという気持ちで一杯になって大興奮です。
その車に試乗させてもらいました、自分が運転した訳ではありませんが、加速も凄く速い。

こんないい車が自分のマイカーになるなんて夢にも思ってなかったので、それから頭の中はその車だけで他のことなんて考えてもなく、帰ってゲームをするにしてもカーレースのゲームでも買うことになった車を使用し、買った後の妄想を膨らませながら好き勝手にゲーム内で走ったりしてました。
そんな日々から数日経った頃、各書類の手続きが終わったと連絡が入り、待ちに待ったその時が来たのです。

初めて運転席に座りハンドルを握った瞬間にようやく、実感が沸いたのです、夢のような時間。
免許取って間もない初心者がその時からマイカーとなったそのテールランプ付近に堂々の初心者マークです。
恥ずかしくもなんともない、むしろ初心者だけどこんな車に乗ってるんだと嬉しくなるばかりです。

家に帰り、早速知り合いのところに出かけたり、洗車を毎日のようにしたりと車中心の生活になりました。
コンビニ行っては小さい子供達の注目を集めたり、同じように改造車に乗っている人達にはよく見られたのを思い出します。

特にどこかに行くわけでもないのに運転席に座り、煙草を吸う時間が好きでした、ちなみに私は二十歳で免許を取っているので煙草も犯罪ではありません。

そんな車との別れも今ではいい思い出、ガソリン値が高騰した時ハイオクを満タンにするのも大変な額でした。
一日稼いでも満タンになんてできない金額で、家庭も裕福な方ではなかったこともあり仕事に行くにしても、その車ではどうしようもなくなってしまいました。

通勤に使えない車ということで家族にはもう反発を受け、真夜中に家を飛び出して公園に行き。
缶コーヒーを飲みながら煙草を吸って車をずっと見ていました。
感じたことのない程の辛さ、悲しみが不意にこみ上げて思わず涙が止まらなくなりました。

その帰り道、それが最後のドライブだとわかっていました。
私は心の中でお別れを言いながら、数ある思い出を振り返りながら、静かに車のカギを閉めました。

それから数日して、本当のお別れ。
家族の知人がその車を譲って欲しいということで、受け取りに来たのです。
久しぶりに聞くエンジン音、私は家からでる事もできず、段々と遠くなっていく音をただ聞いているだけ。

そんな初めての車はシルビア。恐らく最初で最後の愛車となることでしょう。

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